こんにちは。
名東区一社のアベ歯科クリニックです。

お子さまの普段の様子を見ていて、「少し気になるな」と感じることはありませんか?

たとえば、テレビを見ているときに、お口がぽかんと開いている。
食事中は足がぶらぶらして、だんだん姿勢がくずれてくる。
スマホやタブレットを見ていると、頭が前に出ている。

そのほかにも、

「最近、前歯が出てきたような気がする」
「学校の歯科検診で、歯並びや噛み合わせを指摘された」

といったご相談を、保護者の方からよくいただきます。

子どもの歯並びには、歯の大きさや顎の形など、生まれ持った要素も関係しています。

しかし、歯並びは遺伝だけで決まるわけではありません。

普段の姿勢や呼吸の仕方、舌の位置、食事中の座り方、スマホを見るときの姿勢など、毎日の何気ない習慣も、お口の成長に関わっています。

今回は、小学生以下のお子さまによく見られる「お口ぽかん」「口呼吸」「姿勢のくずれ」が、顎の成長や歯並びとどのように関係しているのかを、わかりやすくお伝えします。

お口ぽかんは、ただのクセではないことがあります

お子さまがテレビを見ているときや、車に乗っているとき、何となくぼーっとしているとき。

ふと見ると、お口がぽかんと開いていることはありませんか?

たまに口が開いている程度であれば、すぐに心配する必要はありません。

ただ、何もしていないときにいつも口が開いている、寝ている間も口が開いている、口で息をしていることが多い場合は、少し注意して見てあげたいサインです。

お口が開いている時間が長くなると、鼻ではなく口で呼吸する「口呼吸」が習慣になりやすくなります。

また、唇を閉じる力や舌の位置、頬の使い方など、お口まわりの働きにも影響する場合があります。

歯並びは、外側から唇や頬に支えられ、内側からは舌に支えられており、この内側と外側の力が、ちょうどよく釣り合っていることが、お口の成長には大切です。

一方で、唇を閉じる力が弱い、舌が下がっている、頬の力が左右で偏っているといった状態が続くと、顎の成長や歯並びに影響することがあります。

お口ぽかんは、単に「口を閉じ忘れているだけ」とは限りません。

お口が開いてしまう理由がないか、一度見てあげることが大切です。

舌の位置は、歯並びと関係があります

本来、舌は上あごに軽く触れている状態が理想的です。

しかし、お口が開いている時間が長くなると、舌を上あごにつけにくくなり、舌の位置が下がりやすくなります。これを「低位舌」といいます。

舌が低い位置にあると、上あごに舌からの刺激が伝わりにくくなります。そのため、上あごの成長や、歯がきれいに並ぶためのスペースに影響する場合があります。

ただし、お子さんに「口を閉じて」と声をかけるだけでは、改善が難しいことも少なくありません。

お口が開いてしまう理由には、唇の力が弱い、舌の位置が低い、鼻がつまっている、姿勢が崩れているなど、さまざまなものがあります。ひとつだけではなく、いくつかの原因が重なっていることもあります。

注意する前に、まずは「なぜお口が開いているのかな?」と原因を見つけてあげることが大切です。

姿勢がくずれると、お口も開きやすくなります

「歯並びと姿勢は関係あるのですか?」

これは、保護者の方からよくいただくご質問です。

歯と姿勢は、一見するとあまり関係がないように思えるかもしれません。

ですが、姿勢がくずれることで、呼吸や舌の位置など、お口まわりにも変化が起こることがあります。

たとえば、背中が丸まり、頭が前に出ている姿勢を思い浮かべてみてください。

このような姿勢では、下あごが下がり、唇を閉じにくくなることがあります。すると、お口が自然と開きやすくなります。

お口が開いている時間が長くなれば、鼻ではなく口で呼吸することが増え、口呼吸が習慣になりやすくなります。

さらに、お口が開いた状態では、舌を本来の位置である上あごにつけにくくなり、舌の位置が下がりやすくなります。

姿勢のくずれからお口の状態が変化していく流れを、簡単にまとめると次のようになります。

もちろん、姿勢が悪いから必ず歯並びが悪くなる、という話ではありません。

ただ、小学生以下のお子さまは、顎もお口の機能も成長途中です。
この時期に、姿勢・呼吸・舌の位置が乱れた状態が続くと、歯並びや噛み合わせを考えるうえで見逃せないポイントになります。

こんな様子がある場合は、一度確認しておきましょう

次のような様子が見られたら、歯並びだけでなく、姿勢やお口の使い方にも目を向けてみましょう。

・何もしていないときも、お口が開いている
・寝ている間に、お口が開いている
・口で息をすることが多い
・鼻づまりが続いている
・食事中に姿勢がくずれやすい
・足をぶらぶらさせながら食べている
・くちゃくちゃと音を立てて食べる
・飲み込むときに舌が前へ出る
・発音で気になる音がある
・猫背になりやすい
・スマホやタブレットを見ると、頭が前に出る
・以前より前歯が出てきたように感じる
・歯並びがガタガタしてきた

当てはまる項目があるからといって、すぐに矯正治療が必要になるわけではありません。

ただ、こうした様子は、お子さまのお口の成長を見守るうえで、気にかけておきたいサインです。

「まだ小さいから、そのうち治るかな」と見守っている間に、口呼吸や舌のクセ、姿勢のくずれが日常の習慣になってしまう場合もあります。

少しでも気になることがあれば、一度お口の状態や普段の様子を確認してみてください。早い段階で気づくことで、ご家庭で取り組める工夫や、お子さまに合ったサポートを考えやすくなります。

お家でできる姿勢とお口のチェック

ご家庭でも、お子さまの姿勢やお口の状態を確認できます。
特別な道具は必要ありません。

まずは、普段の生活の中で見てみてください。

1. 食事中に足が床についているか

夕食のときに、お子さまの足元を少し見てみてください。

足の裏は床についていますか?
それとも、ぶらぶらと浮いているでしょうか?

足が床につかない状態では、体を支えにくくなり、食事中の姿勢もくずれやすくなります。

姿勢が安定しないまま食べていると、しっかり噛んだり、スムーズに飲み込んだりしにくくなることもあります。

椅子が高くて足が届かない場合は、踏み台や足置きを使って、足の裏がつくようにしてあげましょう。

足元が安定するだけでも、食事中の姿勢を保ちやすくなります。

ご家庭で今日から始められる、簡単な工夫のひとつです。

2.スマホやタブレットを見るときの姿勢

スマホやタブレットを見ているとき、お子さまの頭が前に出ていませんか?

画面をのぞき込む姿勢が続くと、首が前に出て、背中も丸まりやすくなります。すると、下あごが下がり、お口が開きやすくなることがあります。

画面は、できるだけ目線に近い高さに調整してみましょう。長い時間続けて見ないよう、途中で休憩を入れることも大切です。

「姿勢をよくして」と何度も注意するよりも、画面の高さや椅子の位置など、姿勢を保ちやすい環境を整えてあげる方が取り組みやすい場合もあります。

3.何もしていないときのお口

テレビを見ているときや、車に乗っているとき、本を読んでいるとき。

そんな何気ない時間に、お子さまのお口をそっと見てみてください。

唇は軽く閉じていますか?
それとも、ぽかんと開いているでしょうか?

何もしていないときは、唇が無理なく閉じ、鼻で呼吸できている状態が望ましいとされています。

いつもお口が開いている場合は、単なるクセではなく、鼻づまりや舌の位置、唇の力、姿勢などが関係していることもあります。

そのたびに「口を閉じて」と注意されると、お子さま自身もつらく感じてしまうかもしれません。

まずは注意するよりも先に、「どうしてお口が開いてしまうのかな?」と、その理由に目を向けてみましょう。

4.寝ているときのお口

寝ている間のお口も、見ておきたいポイントのひとつです。

眠っているときにお口が開いている場合は、鼻ではなく口で息をしている可能性があります。

朝起きると口が乾いている、いびきをよくかく、苦しそうに眠っている、何度も目を覚ますといった様子があるときは、呼吸の状態を一度確認してみてもよいでしょう。

鼻づまりが長く続いている場合や、眠っているときの呼吸が気になる場合は、歯科だけでなく、耳鼻咽喉科などでの確認が必要になることもあります。

お口ぽかんや口呼吸は、歯並びや舌の使い方だけでなく、鼻やのどの状態が関係している場合もあります。そのため、お子さまの状態に応じて、歯科と医科の両方から確認することが大切です。

歯並びが気になったら、生活習慣にも目を向けてみましょう

お子さまの歯並びが気になり始めると、

「もう矯正を始めた方がいいのかな」
「装置を使わないといけないのかな」
「まだ様子を見ていても大丈夫かな」

と、不安に感じる保護者の方も多いのではないでしょうか。

歯並びについて相談したからといって、すぐに矯正治療を始めるとは限りません。

お子さまの年齢や成長の状態によっては、まず姿勢や呼吸、舌の位置、食事中の座り方、飲み込み方などを確認することもあります。

歯並びだけを見るのではなく、毎日の生活習慣やお口の使い方に改善できるところがないか、一緒に考えていくことが大切です。

一方で、顎の成長や歯が並ぶスペースなどを確認した結果、小児矯正を検討した方がよい場合もあります。

「もう少し大きくなってから」と自己判断だけで長く様子を見るのではなく、気になった時点で一度相談しておくとよいでしょう。

早めに状態を確認することで、今は見守ってよいのか、ご家庭で取り組めることがあるのか、治療を検討する時期なのかが分かりやすくなります。

まとめ

子どもの歯並びは、歯の大きさや顎の形だけで決まるわけではありません。

姿勢や呼吸、舌の位置、食事中の座り方、スマホやタブレットを見るときの姿勢など、毎日の何気ない習慣も、お口の成長に関わっています。

なかでも、お口ぽかんや口呼吸が続くと、舌が上あごにつきにくくなり、顎の成長や歯並びに影響する場合があります。

「このまま様子を見ていて大丈夫かな」
「いつもお口が開いているのが気になる」
「姿勢と歯並びに関係があるのか知りたい」

そんなときは、歯並びだけでなく、呼吸や舌の位置、姿勢なども一緒に確認してみましょう。

早い段階でお子さまの状態を知ることで、ご家庭でできることや、今後どのように見守っていけばよいかが分かりやすくなります。

次回は、アベ歯科クリニックで行っている姿勢チェックのひとつ「マルケンバンバン」について、どのようなことを確認するのか詳しくご紹介します。

よくある質問

Q1. お口ぽかんは歯並びと関係ありますか?

お口がぽかんと開いている状態が続くと、口呼吸になりやすく、舌が正しい位置に上がりにくくなることがあります。
舌の位置は、顎の発育や歯並びに関係します。
「いつも口が開いている」「寝ているときに口が開いている」という場合は、一度確認しておくと安心です。

Q2. 姿勢が悪いと、必ず歯並びが悪くなりますか?

必ず歯並びが悪くなるわけではありません。
ただし、姿勢のくずれは口呼吸や舌の位置に関係することがあり、歯並びや顎の発育を考えるうえで確認しておきたいポイントです。

Q3. 家でできるチェックはありますか?

食事中に足が床についているか、スマホやタブレットを見るときに頭が前に出ていないか、何もしていないときにお口が閉じているかを見てみましょう。
寝ているときに口が開いていないか、朝起きたときに口が乾いていないかも大切なチェックポイントです。

Q4. 口呼吸がある場合、歯科だけで対応できますか?

口呼吸の原因は、お口の使い方だけでなく、鼻づまりやアレルギーなどが関係している場合もあります。
状態によっては、耳鼻科での確認が必要になることもあります。

Q5. 歯並びの相談をすると、すぐに矯正治療になりますか?

必ずしも、すぐに矯正治療が必要になるわけではありません。
まずは、お子さまの歯並び、顎の成長、姿勢、呼吸、舌の位置などを確認します。
成長段階によっては、生活習慣の見直しや、お口のトレーニングから始めることもあります。